当院では麻酔技術と手術技術は外科部門の両輪であると考えています。そのため麻酔技術の研鑚にも力を注いでおります。従来のガス麻酔のみによる全身麻酔では動物に痛みという有害刺激が加わるばかりでなく、各組織への血液供給が低下する欠点がありました。特に重症動物や高齢動物ではこの傾向が強く出ておりました。これを解決するために近年、バランス麻酔という概念が提唱されています。 当院ではモルヒネの何十倍もの鎮痛作用をもつフェンタニルおよびレミフェンタニル(写真)を使用したバランス麻酔を実施しております。これにより従来の麻酔法に比べ動物が受ける痛みは格段に減少し、より安定した麻酔管理が可能となりました。